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2018/08/24

その他の点眼液の簡単解説

ドクター湯田

執筆・監修医師 湯田竜司

湯田眼科美容クリニック院長 湯田竜司の「二重整形の悩み解決!」にようこそ。美容整形をお考えのあなたのお力になれますよう、今までのお客様からのお悩みにできる限りお答えします。参考になれば幸いです。

著者プロフィール

A.抗菌点眼液

A-I.ベガモックス点眼液

ベガモックス点眼液

モキシフロキサシン塩酸塩
ニューキノロン系
細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示します。
眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫(ものもらい)、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎の治療や、眼科周術期(手術前後)の無菌化療法に使用します。
1回1滴を1日3回点眼します。

A-II.ガチフロ点眼液

ガチフロ点眼液

ガチフロキサシン水和物
ニューキノロン系
結膜炎や麦粒腫(ものもらい)などの眼感染症の治療や眼手術前後に眼の細菌を殺菌するために用いられます。
1回1滴を1日3回~4回点眼します。

A-III.トスフロ点眼液

ニューキノロン系です。
トスフロキサシントシル酸塩水和物
通常、1回1滴を1日3回点眼する。

A-IV.オフテクター点眼液

製剤名:オフロキサシン製剤
ニューキノロン系です。
通常、1回1滴、1日3回点眼する。
なお、症状により適宜増減する。

B.ステロイド点眼液

ステロイド点眼液は実に様々な目薬があります。
効果の強さで使い分けていきます。
下記に簡単な表がありますのでご参考下さい。

ステロイド点眼液表1

ステロイド点眼液で怖いのは副作用です。

①一番は眼圧の上昇です。

ずっと使っていると、ときに数週後から眼内圧亢進、また、まれに緑内障があらわれることがあります。
そのため定期的に眼内圧検査を実施したほうがよいです。

②次にばい菌の感染です。

③長期使用により、まれに後のう下白内障があらわれることがあります。

上記の3点に注意が必要です。

B-I.ピトス点眼液0.02%  0.1%

ピトス点眼液

フルメトロン点眼液と成分は一緒です。
一般名:フルオロメトロン0.1%1mL点眼液
1回1~2滴、1日2~4回点眼します。

ステロイド点眼液表2

B-II.ビジュアリン点眼液0.02% 0.05% 0.1%

ステロイドの強さでいうと中等度になります。

ステロイド点眼液表3

一般名:デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム液
通常、1回1~2滴ずつ、1日3~4回点眼する。

B-III.リノロサール点眼液

リノロサール点眼液

リノロサール点眼液はリンデロン点眼液と成分が一緒です。

ステロイド点眼液表4

C. Nsaids点眼液

非ステロイド性抗炎症薬(点眼薬)
シクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素を阻害し、炎症などを引き起こす体内物質プロスタグランジン(PG)の生成を抑え炎症や痛みなどを抑えることで、主に結膜炎や眼手術時などに使われる薬

  • 角膜炎の対症療法
  • 眼瞼炎の対症療法
  • 強膜炎の対症療法
  • 結膜炎の対症療法
  • 術後炎症の対症療法
  • 上強膜炎の対症療法
  • 前眼部ぶどう膜炎の対症療法
  • 外眼部の炎症性疾患の対症療法
  • 前眼部の炎症性疾患の対症療法

C-I.ニフラン点眼液

1回1~2滴を1日4回点眼する

C-II.ブロナック点眼液

通常、眼瞼炎、結膜炎、目の手術後などの炎症の抑制に用いられます。
通常、1回1〜2滴を1日2回点眼します。

C-III.ジクロフェナック点眼液

ジクロフェナック点眼液

白内障手術時における術後の炎症症状、術中・術後合併症を防止します。
眼手術前4回(3時間前、2時間前、1時間前、30分前)、眼手術後1日3回、1回1滴点眼します。

D.白内障術後用点眼液

D-I.カリーユニ点眼液

通常、初期老人性白内障の進行抑制に用いられます。
水晶体の水溶性蛋白にキノン体が結合するのを競合的に阻害し、水晶体蛋白の変性を防止することにより、水晶体が白く濁るのを抑えます。
通常、1回1〜2滴を1日3〜5回点眼します。

E.その他の点眼液

E-I.サンピロ点眼液

サンピロ点眼液

副交感神経支配の筋肉に作用し収縮させることによって房水の流出を促進し、眼圧を下げたり、縮瞳させたりします。
通常、緑内障の治療や検査後の縮瞳などに用いられます。
通常、0.5〜4%製剤を1回1〜2滴、1日3〜5回点眼します。

〔禁忌(次の患者には投与しないこと)〕
虹彩炎の患者[縮瞳により虹彩の癒着を起こす可能性があり、また炎症を悪化させるおそれがある]

E-II.ムコゾーム点眼液0.5%

消炎酵素製剤で、消炎作用や組織修復作用により、目の炎症や浮腫を抑えます。
通常、慢性結膜炎の治療に用いられます。
通常、1回1〜2滴を1日数回点眼します。

E-III.フラビタン眼軟膏

身体の新陳代謝を正常に保つ働きをもつビタミンB2の薬です。
通常、ビタミンB2の欠乏や代謝障害によって生じる目の病気(角膜炎、眼瞼炎)の治療に用いられます。
通常、1日1〜4回眼瞼内(まぶたの内側)に少量ずつ塗布します

E-IV.ジクアス点眼液

涙の成分であるムチンや水分の分泌を促進し、涙の状態を改善することにより、角結膜上皮の障害を改善します。
通常、ドライアイの治療に用いられます。
通常、1回1滴を1日6回点眼します。

E-V.ルセンティス

ルセンティス硝子体内注射により、脈絡膜新生血管や黄斑浮腫の発生が抑えられます。
脈絡膜新生血管は、脈絡膜から網膜に向かって異常新生血管が発生することにより、重篤な視力障害をきたす病態です。
加齢黄斑変性や近視性黄斑症(病的近視)でしばしば発生します。
近年、脈絡膜新生血管の発生に、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質が関係することが知られてきました。
VEGFは正常な体の中でも造られている大切な物質で、傷口が治る時などに、不可欠の物です。
しかし加齢黄斑変性では、眼内でVEGFが過剰に造られてしまうため、脈絡膜新生血管が発生します。
またVEGFは黄斑浮腫(網膜静脈分枝閉塞、網膜中心静脈閉塞、糖尿病黄斑症)の発症にも関与する事が知られています。
ルセンティスはVEGFの働きを短期間抑える薬です。

適応疾患
加齢黄斑変性、近視性黄斑症、網膜静脈分枝閉塞、網膜中心静脈閉塞、糖尿病黄斑症

注射間隔
最初は病状が鎮静化するまで毎月連続で注射し、その後は病状によって追加注射します。
注射は外来通院で行います。
麻酔薬を点眼して麻酔します。
まず目の周囲と、目の表面を消毒します。
続いて32ゲージの注射針を用いて、ルセンティスを硝子体内に注入します。
注射は30秒程度で終了します。

合併症について
硝子体注射の傷口から細菌が入り細菌性眼内炎を起こす事が報告されています。
頻度は極めて稀ですが、一旦発症すると重篤な視力障害を引き起こす可能性があります。
そこで術前・術後の抗生剤点眼使用や生活の注意点などを守ってもらいます。

E-VI.ミオピン

疲れ目(眼精疲労)に使用します。
成分(一般名):メチル硫酸ネオスチグミン配合薬
閉塞隅角および狭隅角緑内障のある人は慎重に用います。
通常、1回2~3滴を1日4回点眼します。
症状により増減します。

E-VII.ラクリミン

オキシブプロカイン塩酸塩
結膜と角膜の知覚神経ならびに涙液分泌を支配する三叉神経反射弓を一時的に遮断することによって、刺激による過剰な涙液の分泌を抑制します。
通常、分泌性流涙症の治療に用いられます

E-VIII.サンコバ点眼液0.02%

主成分:シアノコバラミン
ビタミンB12製剤。目のピント調節に関係する筋肉に作用し、働きを改善。
通常、眼精疲労の改善に用います。